ページを選択

MY ACCOUNT

モダンジェントルマンの肖像

Mr.クラシックと称されるハケット ロンドン創業者であるジェレミー・ハケット氏
英国メディアにおいてツイストするセンスは国内一といわれる彼が考えるモダンジェントルマンの定義、そして生き方とは?

HACKETT LONDON

ハケットというブランドは誕生してから何年経つのかとお客様から聞かれることがあります。

大抵の場合、私の父か、もしくは祖父の代くらいにスタートしたブランドではないかと思っていらっしゃるんです。

それはハケットが、流行が過ぎてしまえば忘れ去られる一過性のブランドではなく、ブリティッシュスタイルの本質を代表するブランドだと認識され、受け入れられているという証とも言えましょう。

ハケットは「本物であること」を大切にするブランドなのです。

ジェレミー・ハケット

クラシックジェントルマンと、モダンジェントルマンの定義

おもしろいと思うのですが、英国では誰もジェントルマンのことを話題にしません。

むしろ英国ジェントルマンを語るのは、外国の人たちだけですね。

おそらく、その概念にロマンを抱いているのでしょうが、ジェントルマンだとしたら、自ら口にすることはないでしょう。

私がいつもいうのは、“どれだけ良い服を着ていても、マナーがなければジェントルマンには決してなれない” ということ。

それはとても大切なことです。

ジェントルマンのような服装は誰にでもできますが、マナーは別物。

ですから、必ずしも服装で決まることではないのです。

そういった意味では、英国よりも日本でジェントルマンを良く見かけますよ。

彼らは皆、優れたマナーを持っていると感じます。

ジェントルマンにふさわしい服装術

英国では伝統的に、ジェントルマンらしい服装を楽しむいろいろな社交イベントがあります。

カントリーサイドに行けば、そこにふさわしい服を着ますし、競馬、ハンティング、テニス観戦に旅行など、その状況に応じた装いがあります。

その考え方、習慣は、とても英国的らしいものだと思います。

それが外国の人たちが英国に憧れる部分ではないでしょうか。

私も外国でさまざまなイベントに参加しましたが、英国のような文化を持つ国にはいままで出会ったことはありません。

目的、シチュエーションによって服装を変えることは英国の伝統ともいえます。

今は、昔ほど堅苦しいものではありませんが、もしその社交場にあった服装を着て心地いいのなら、伝統を守って着続ければいいのではないでしょうか。

イタリアに目を向けると、彼らも多くの伝統的スタイルを持っていますが、そもそもそのインスピレーションは英国から来たもの。

つまり、イタリア人は英国人のスタイルに憧れていたのですね。

彼らは英国の文化を元に、独自の文化をつくりあげたわけですが、元々はすべて英国のものだったのです。

ジェントルマンにふさわしいライフスタイル

難しいですね。

昔なら定義は簡単だったと思います。

つまり、カントリーサイドに住み、釣りに行き、狩りに行き、といったことです。

でもそれは古いタイプのジェントルマンで、いまでは少数派。

例えば、私の良き友人でもあり、グッドウッドフェスティバルの主催者でもあるマーチ卿、彼などは古き良きジェントルマンの典型です。

現代のジェントルマンはロンドンに住んでいる人がほとんどではないでしょうか。

ロンドンには伝統あるジェントルマンズ・クラブがいくつか存在します。

そのようなクラブは、最近とても人気が高いんですよ。

自分がジェントルマンだと感じられる、外とは隔離された場所を人びとが求めている、ということなのかもしれません。

モダンジェントルマンに求められる要素

まずマナーですね。

服装のことでいうと、自分に何が似合うのかを理解することが大事。

ブランドものだからという理由だけで服を選ぶべきではありません、もちろんそのブランドが自分にぴったりなのであれば話は別ですが。

私は仕事で着る服を指示されることがありますが、着飾っていることを強く感じますし、それは私のスタイルではありません。

自分に最もフィットする服装を知り、自分で選ぶことが大切だと思います。

そういう意味で、私のスタイルは過去 30 年間、ほとんど変化がありません、同じテーマに基づいて多少のツイストはしていますが、我々の顧客も同じだと考えています。

最新ファッションにはほとんど興味がありません、そして、服装に投資するという概念を持っています。

それは、往年のジェントルマンにも同様に当てはまることです。

ジェントルマンに必要な素質

私が思うに洋服は “着る” ものであって “着飾る” ものではありません。

“着飾る” というのはトゥー・マッチなことなのです。

それにジェントルマンは自分で “所有している” 洋服を着るのであって、ただ単に身につけるのではありません。

例えば、お店に行って、そこにある服を「これいいね」という感覚で着用するのは “身につける” ということです。

そうではなく、服は所有物の一部であり、“着られる” ものではありません。

誰の言葉か定かではありませんが英国には “Gentleman should dress so as not to be noticed” (ジェントルマンは、人に気づかれないように洋服を着るべきである)という有名なことわざがあります。

この言葉こそが紳士の資質を物語っているのではないでしょうか。

シンプルなコーディネートをすることのメリット

服装をシンプルにすることで、より目立つということもいえます。

シンプルなスタイルは往々にして力強い印象を相手に与えるものです。

でもそれはファッションとは違います。

スタイルであり、自分が購入出来る範疇で、できる限り良い品に投資するということを意味します。

私は随分前に買った洋服をいまだに愛用しています。

それらが、流行かどうかには関心がありません。

自分が好きかどうかが問題なのです。

「ハケット ロンドン」はファッションブランドですか?

“ファッション” ではないと思っています。

我々の仕事はファッションのように見えるかもしれませんが、ハケット ロンドンのスタイルをファッションの中に見いだしているだけです。

つまり、ファッションの流行があったとして、それが我々に合わなければ採用しません。

でも、ある流行がハケット ロンドンのスタイルと合致したとき、私たちはその流行とハケットスタイルを組み合わせます。

その手法によって、モダン・クラシックというスタイルが生まれるのです。

未来のジェントルマンに向けてのメッセージ

ハケット ロンドンにもっと足繁く通ってください(笑)

それから、私が良く使う言葉ですが「洋服は Wear-out(消耗)するものではなく、Wear-in(しっくりくるまで使い続ける)することが大切」だと思っています。